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写真:スコット・シャウト/マンスフィールド記念博物館
ティム・クック氏は、横浜に建設されるアップルの新しい研究開発拠点は人工知能やその他の関連技術に重点を置くと明らかにした。
新施設は、当初の2017年3月よりも大幅に早い12月までに完成する予定だ。日経アジアンレビューとのインタビューで 、クック氏はこの施設を「ディープエンジニアリング」のセンターと呼び、アップルが中国に建設を計画している研究開発センターとは「大きく異なる」ものになると語った。
「AIを活用してバッテリー寿命を延ばしたいと考えています」とクック氏は述べ、例えば「車をどこに駐車したかを覚えておく」ことや、Apple Musicで新しい曲をおすすめすることなどを挙げた。AppleのAI活用の野望を実現するため、クック氏は日本企業と協力していくと述べた。
AppleのAIへの野心は周知の事実です。スティーブン・レヴィ氏は最近の記事で、機械学習に関してAppleが想定している新たなユースケースをいくつか挙げています。Appleオンラインストアにおける不正行為の検知から、ベータテスターからの最も有用なフィードバックの特定、iOS 10でユーザーがスナップショットや動画をミニムービーにまとめるといった、より目に見える用途まで、多岐にわたります。
とはいえ、同社がAIのホットスポットとして日本を選んだのは興味深い。日本の企業や大学は伝統的に、ソフトウェアベースのAIシステムではなく、先駆的なロボット工学研究に重点を置いてきた。こうしたハードウェア研究の多くは、軍事技術ではなく、産業や「文化」への応用に基づいている。日本はまた、分子神経科学研究にも力を入れてきた。
Apple が今後どうなるかは不明だ (同社は自社の計画をあまり社外の人間と共有しないため)。しかし、この取り組みの一部を、Siri (米軍のプロジェクトとして始まった) などのツールをより人間らしく動作させる取り組みに組み込むのは、確かに興味深いことかもしれない。
ティム・クック氏は先週、Apple CEOとして初の来日を果たしました。訪日中、安倍晋三首相と会談したほか、任天堂本社を訪れ、先月のiPhone 7基調講演でデモが披露された新作ゲーム「マリオラン」をプレイしました。また、Apple Payの日本導入についても積極的に発言しています。
出典: 日経アジアレビュー