- ニュース

写真:Apple
Appleは時価総額が1兆ドルの大台を突破したばかりだが、依然としてコスト削減策を模索している。製造コストを可能な限り抑えるため、同社は様々なデバイスの生産を台湾のサプライヤーから中国のサプライヤーに移管しているという。
Digitimesのレポートによると、これは必ずしも新しいことではなく、むしろ近年 Apple が進めている戦略の転換の一部だという。
「優れた製造能力を持つ多くの台湾サプライヤーは、かつてはアップルからの受注に依存して収益を伸ばし、中国メーカーを凌駕していました。しかし、アップルは近年マーケティング戦略を変更し、サプライチェーンに中国メーカーを積極的に導入し始めています。これは、アップルがデバイスの販売において主要消費者層に固執しなくなり、生産コストへの懸念が高まったためです」と関係者は述べています。
報告書は、Appleの製造業者のシフトの一例として、Catcher Technology社がAppleのMacBook金属筐体の受注を中国のEverwin Precision Technology社に奪われたことをあげている。
Appleからの注文を失ったもう一つの企業は、台湾に拠点を置くバッテリーモジュールメーカーのSimplo Technologyで、MacBookとiPhoneのバッテリーモジュールの注文のほとんどを中国のDesay Battery TechnologyとSunwoda Electronicに奪われた。
楽な道のりではない
Apple からの注文を獲得することはサプライヤーにとって大きな収入源となりますが、それが Apple と同じ上昇軌道に乗れるということを示すものでは決してありません。
その好例が、Appleの製品供給元として最も長い歴史を持つFoxconnです。Foxconnは最近の決算発表で、連結売上高が前年同期比17%増の344億3000万ドルと過去最高を記録しました。しかし、四半期純利益は前年同期比2.18%減となり、5年ぶりの低水準となりました。
今年初め、Appleが新たなコスト削減策を導入し、サプライヤーへの圧力をさらに強めていると報じられました。これには、以前はサプライヤーが自ら購入(そして値上げ)できていたネジなどの部品について、Appleが独自に契約交渉を行うことも含まれます。
現在、米国と中国の間で貿易戦争が勃発しており、中国からの輸入部品への関税も絡むことから、Apple の戦略が今後さらに変化するかどうかは興味深いところです。