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第一回CITEカンファレンスで流行語となる言葉があるとすれば、それは「信頼」でしょう。この2日間の議論は、IT部門とユーザーの間の信頼のレベルに集約されました。
信頼は健全な人間関係の基盤となるかもしれませんが、職場のITプロフェッショナルにとって容易なことではありません。ITのコンシューマライゼーションにおいて、ITスタッフが抱える根本的な緊張はまさにこれです。デバイスやパブリッククラウドサービスの問題ではなく、サポートするユーザーを信頼することこそが重要なのです。
過去20年間IT業界に携わったことがある人に尋ねれば、ほとんどのITポリシーはユーザーに対する根深い不信感に基づいていると言うでしょう。この考え方は、ユーザーが圧倒的に悪意を持っていることを示唆しているわけではありません。ほとんどの企業では、悪意のあるユーザーは従業員のごく一部に過ぎません。むしろ、ユーザーはテクノロジーがもたらすリスク(セキュリティ面でもデバイスの信頼性面でも)を理解していないという見方です。
私は個人的に、大学を卒業したばかりのIT新人社員にこの姿勢を叩き込んできました。何年も、いや、何十年も前から、それが常識となってきたのです。
しかし、そんな時代は過ぎ去りました。今日では、ほとんどのユーザーはリスクを認識しており、iPhone、iPad、Androidスマートフォンが使えなくなるとどうなるかを認識しています。また、これらのデバイス向けに利用可能なアプリの中には、IT部門が提供できるものよりもはるかに優れた機能を備えているものもあることも知っています。
しかし、多くの組織では、こうしたユーザーはIT部門を信頼していません。ITマネージャーに特定のアプリやデバイスを提案すれば、何らかの形でブロックされるか削除されるだろうと彼らは考えています。彼らにとって素晴らしいソリューションかもしれないものを、IT部門が推奨してくれるとは期待していないのです。
この敵対的な関係は、完全な信頼の欠如から生じます。そして、それは夫婦間だけでなく、ビジネスにおいても良くありません。関係者全員にとって有害です。
旧来のITの考え方は今後も適用され続けるでしょうが、その効果はますます薄れていくでしょう。ユーザーはIT部門が導入するあらゆる技術的障壁を回避する方法を見つけるでしょう。その結果、IT部門は本来サービス提供すべきユーザーや組織にとって、ますます重要性を失っていくでしょう。セキュリティは完全に無視されてしまうでしょう。
解決策は何でしょうか?信頼と教育です。
IT部門とユーザーの間には、良好な関係を築く必要があります。IT部門は、職場におけるテクノロジーを全体主義的に遮断したり、強制したりするやり方から脱却する必要があります。ITプロフェッショナルはユーザーと関わり、どのようなツールを使用しているか、あるいは必要としているかを尋ね、ユーザーのニーズを理解できるような対話を構築する必要があります。その対話の裏には、セキュリティ、プライバシー、規制上のニーズなど、IT部門が常に懸念してきたあらゆる事柄について話し合う機会が生まれます。こうした対話は、社会契約、あるいは実際の契約(いわゆる「利用規定」)へと発展していく可能性があります。
しかし、このプロセスは信頼から始まります。真の信頼と関与、そして教育と理解です。結局のところ、ITプロフェッショナルは、自分たちの仕事はテクノロジーとの関係ではなく、他の人々との関係性にあることを認識する必要があります。