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複数の報道によると、AppleはiTunesの大幅な刷新に取り組んでおり、今年後半にリリースする予定とのことです。これらの報道によると、このアップデートは、アプリやコンテンツの検索機能の向上、音楽やメディアの共有、iCloudとの連携強化といった、消費者向けの機能に重点を置くとのことです。また、AppleがiOSで行ったように、iTunesの一部機能を個別のアプリに分割する可能性も示唆されています。直近の例としては、今週初めにリリースされたPodcastアプリが挙げられます。
iTunesを個別のコンポーネントに分割することは、特に企業やITプロフェッショナルにとって魅力的な展望です。iTunesは長年にわたり、機能がごちゃ混ぜになり、肥大化しています。その結果、IT部門は、iOSデバイスを持つ従業員が職場のコンピュータでiTunesを使用できるようにするべきかどうか、あるいはそもそも許可すべきかどうかという難問に直面することがよくあります。
iTunesの簡素化や分割を求める声は今に始まったことではありません。多くのユーザーがAppleにiTunesの簡素化を求めてきました。しかし、使いやすさだけがIT部門がiTunesの刷新を歓迎する理由ではありません。AppleがiTunesの機能を複数のアプリに分割すれば、iTunesとiOSに関するIT部門の懸念が軽減される可能性があります。
iTunes の IT ウィッシュリストとなる項目をいくつか紹介します。
- iOSデバイスのアクティベーションと同期のための専用アプリ – iOS 5以降、iTunesとの同期はそれほど重要ではなくなりましたが、iTunes(テザリングまたはワイヤレス)やiCloudへのデータのバックアップと同期機能は依然として大きなニーズです。しかし、業務データが従業員のiOSデバイスに保存されている場合、iCloudや自宅のコンピュータへのバックアップと同期は、IT部門にとってセキュリティ上の懸念事項となります。iPhoneやiPadを導入している組織にとって、これらの機能に特化したiTunesのようなベーシックなアプリは歓迎すべき追加機能となるでしょう。
- エンタープライズ向けストアフロントの組み込み – エンタープライズ向けアプリストアはますます普及しており、その多くはAppleのApp StoreのiOSインターフェースを模倣しています。iTunesのエンタープライズ版は、このコンセプトをさらに進化させる可能性があります。社内アプリやおすすめの公開アプリのリポジトリとして機能するだけでなく、エンタープライズ版iTunesは、コアビジネスリソースをユーザーに提供するためにも活用できます。例えば、ポリシー文書、業務プロセスガイド、音声または動画によるトレーニングコンテンツなどが挙げられます。
- ボリュームライセンスまたはサイトライセンスの改善 – Appleのボリューム購入プログラムは、企業が従業員のデバイス(個人所有または会社所有)向けにアプリを購入する上である程度効果的ですが、理想的とは程遠いものです。従業員が退職した際に企業がVPPライセンスを簡単に回収したり、iPhoneやiPadからアプリを削除したりできるオプションがあれば、大きな改善となるでしょう(Apple Configuratorでこれを行うことは可能ですが、一定の制限があります)。サイトライセンスモデルは、Apple向けに設計するのが難しいものの、さらに優れた選択肢となるでしょう。
- オフィスのMacやPCでのiTunesの管理が簡単になります。Appleは、IT部門がiTunesの一部機能へのアクセスを制限しつつ、アプリケーション全体へのアクセスを許可する機能を提供しています。このプロセスは、特にWindowsではやや複雑です。エンタープライズ向けのiTunes設定ユーティリティのような簡素化されたオプションの方が望ましいでしょう。例えば、カスタマイズされたiTunesインストーラーを提供するツールが挙げられます。これらのインストーラーは、システムイメージの作成に使用したり、iTunesをインストールする必要があるユーザーに提供したりできます。
Appleがこれらのオプションをすべて実装してくれることを期待していますが、最終的には消費者向けのiTunesを単一のリリースに絞るのではないかと思います。少なくとも、iOSデバイスは数年前に比べるとiTunesへの依存度が低くなっています。
出典:ブルームバーグ