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どうしても手放さない人もいるでしょう?
昨年アップルがU2のアルバムを無料配布して大いに非難されたことにいまだ憤慨しているロシアの政治家アレクサンダー・スタロボイトフ氏は、これまで聞いたことのない新たな苦情を申し立てた。それは、 世界中のiTunesの顧客数百万に及ぶ人々に『Songs of Innocence 』をプレゼントすることで、アップルが故意にゲイポルノを配布していたというものだ。
有罪判決を受けた場合、アップルはロシアでの事業を90日間停止するか、100万ルーブルの罰金を支払うよう強制される可能性がある。
同性愛ポルノの容疑は、U2のアルバムの音楽的要素からではなく、バンドメンバーのラリー・マレン・ジュニアが上半身裸の18歳の息子の腰を抱きしめているカバーから生じたものである。
U2によると、これは「自分の純潔を保つことは他人の純潔を保つことよりもはるかに難しい」という比喩表現だという。右派自由民主党(LDPR)党員スタロヴォイトフ氏によると、この写真は、彼自身のたくましい血気盛んな異性愛者の息子(訴状には精神的損害の被害者として名前が挙がっている)を、なんと同性愛者に変えるのに必要なすべてなのだという。
この苦情はあらゆる点でかなりばかげているが、アップルがロシア政治の進歩的かつ後進的な要素と衝突したのは今回が初めてではない。
ティム・クック氏が同性愛者であることを公表した後、ロシアの時代遅れの反同性愛法の立役者であるロシアの政治家は、アップルのCEOをロシアから追放すべきだと主張し、一方でスティーブ・ジョブズ氏を称えて建てられた銅像は撤去され、売却された。
最近、ロシア語版Siriにバグが発生し(おそらくサードパーティのロシア人プログラマーに作業を引き継いだ結果)、AppleのパーソナルアシスタントがLGBT問題に関する質問に対して同性愛嫌悪的な返答を返す事態になったが、現在は修正されている。
誰にも分からないが、アレクサンダー・スタロヴォイトフは、アップルの価値がロシアの株式市場全体よりも高いという事実に苦々しく思っているだけなのかもしれない。
出典:ガーディアン