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Appleが独自のインターネットブラウザを開発する前は、Macユーザーはインターネットを閲覧するためにMac版Internet Explorerに頼らざるを得ませんでした。スティーブ・ジョブズはMacの人気を復活させる計画の一環として、独自のウェブブラウザであるSafariを開発しました。
AppleはAppleなので、プロジェクト全体は極秘でした。Appleの社員でさえ、Appleが独自のブラウザを開発していることを知ることは許されていませんでした。プロジェクトの秘密主義は事態を複雑にしました。Appleはブラウザを開発しながらテストする必要がありましたが、発表前にサーバーのログにSafariが特定され、Appleの秘密が暴露されてしまうからです。
Appleは、サーバーログからSafariの存在が発覚するリスクを冒すよりも、Safariの正体をMozillaだと偽装することで巧妙に隠蔽し、実際に効果を発揮しました。Safariチームを率いていた元Apple社員のドン・メルトン氏によると、その経緯は以下の通り。
「サーバーのログ。本当に怖かったよ。
ウェブブラウザがウェブサーバーからページを取得する際、ブラウザはユーザーエージェント文字列(基本的にはブラウザの名前、バージョン、プラットフォームなど)を使ってサーバーに自身を識別します。また、ブラウザはサーバーにIPアドレスを提供し、サーバーがページをどこに返すかを判断します。この情報交換によって、ウェブが機能するだけでなく、サーバーは誰がどのブラウザをどこで使用しているかを把握できるようになります。
これからどうなるかお分かりですよね?でも、ちょっと待ってください、まだ続きがあります…
1990年頃、ある先見の明のあるIT担当者がAppleのためにクラスAのIPアドレスネットワーク全体を確保しました。そう、Appleは16,777,216個の静的IPアドレスを保有しているのです。そして、これらのアドレスはすべて「/8ブロック」と呼ばれるブロックにまとめられているため、すべて同じ番号で始まります。Appleの場合、その番号は…です
17
。IP アドレス
17.149.160.49
?それは Apple です。17.1.2.3
そう、Apple です。17.18.19.20
また、Apple です。Apple17.253.254.255
です、ちくしょう!本当にひどい目に遭いました。
だから私たちは、Apple にいるときはいつでも、私が巧みにデザインした Safari ユーザーエージェント文字列を隠していました。」
ドン・メルトンは、大々的な発表の6ヶ月前からSafariをMozilla風に着飾らせ続けた経緯を引き続き解説しています。詳細は彼のブログをご覧ください。
出典: ドン・メルトン
出典: The Loop