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アップル共同創業者スティーブ・ジョブズの未亡人にとって、人生で唯一確実なのは死と税金だという格言は、おそらく真実に響くだろう。特に税金に関しては。ローレン・パウエル・ジョブズは、8億6,700万ドルのキャピタルゲイン税を支払わなければならないことを知り、70億ドル近くに相当するディズニー株とアップル株を数百万株売却するよう勧められている。
ブルームバーグによると、パウエル・ジョブズ氏は2013年までにキャピタルゲイン税が15%から20%に引き上げられるほか、株式売却による未稼得利益にも3.8%の税金が課される可能性がある。ジョブズ氏は、20億5000万ドル相当のアップル株555万株と、約47億4000万ドル相当のディズニー株1億3800万株を保有していた。
ジョブズは10月5日に亡くなる前に、遺言検認税を回避するために株式を信託に預け入れていたが、その遺産は未亡人と4人の子供たちに分配される可能性が高い。皮肉なことに、パウエル・ジョブズはスタンフォード大学で経営学修士号を取得している。
ウォール街版タグセールとも言えるこの状況では、ディズニー株の売却は特に問題に直面する可能性がある。ジョブズ氏が保有する1億3800万株は、同社の1日平均取引量の12倍に相当し、ヘッジファンドなどの機関投資家が株式を取得する可能性が高いとブルームバーグは報じている。アニメ界の巨人ディズニーが2011年度にジョブズ氏の株式50億ドル相当を買い戻す前には、さらに多くのディズニー株が売却可能だった可能性もある。
一方、アップルに関しては、パウエル・ジョブズCEOはiPhoneとiPadのメーカーである同社の株式を、公開市場に大きな影響を与えることなく容易に売却できるだろう。彼が保有する555万株は、1日あたり1760万株の取引量にほとんど影響を与えないだろう。
しかし、買い手が誰であろうと、今回の売却は、伝統的なビジネスを嘲笑したカウンターカルチャーの象徴としてのジョブズ氏のイメージに反する可能性が高い。とはいえ、ウォール街で1億株以上を売り飛ばしたこと自体が、記憶に残るほど混沌とした送別会と言えるだろう。