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写真:Apple
AppleはApple TV+でNetflixのビジネスに対抗しているだけではなく、番組制作の哲学にも挑戦している。
Wiredの最新記事で、Apple TV+の責任者であるザック・ヴァン・アンバーグ氏は、同社は新番組制作において直感を頼りにしていると述べています。これは、Netflixがデータに基づいて制作していることで知られるアプローチとは大きく異なります。
Netflixは2013年に『ハウス・オブ・カード』で自社番組を開始しました。同社はデータドリブンなアプローチで番組制作に取り組んでおり、2500万人のユーザーデータを活用して、視聴傾向や相関関係を分析。そして、それらのユーザーをターゲットにした番組を制作しました。
Appleが豊富なデータを活用できることは明らかだが、同社は異なるアプローチを取っているようだ。「私たちは人口統計に基づいた番組編成を行っているわけではない」とヴァン・アンバーグ氏は述べた。「18歳から34歳の男性向けの番組や、32歳以上の女性向けの番組を次々に作らなければならないなどと、誰も口出ししてはいない。私たちは番組の質を基準に番組を決定しているのだ。」
Apple TV+: データではなく、自分の心の声に耳を傾けよう
記事では比較はされていませんが、これはAppleがApple MusicとApple News+で採用している戦略と似ている点が興味深いところです。Spotifyなどのライバルサービスがアルゴリズムに重点を置いているのに対し、Apple Musicの幹部は常にキュレーションと人間による意思決定について語ってきました。Apple News+でも同様のことが言えます。
Apple TV+が成功するかどうかはまだ分からない。Apple TV+は番組制作において進歩的な姿勢を示しており、#MeToo論争のような社会問題を積極的に取り上げているように見受けられる。データに左右されない姿勢は、シリコンバレーのテック企業では非常に珍しい。この点でApple TV+がどうなっていくのか、そして成功作や失敗作が出た際にアプローチを変えるのかどうか、注目される。
Wiredの記事はこちらをご覧ください。ここで紹介した情報に加え、 Apple TV+の宇宙ドラマ『フォー・オール・マンカインド』の制作にも焦点が当てられています。