アップルは独自の有料医療クリニックの開設を検討していた

アップルは独自の有料医療クリニックの開設を検討していた

  • Oligur
  • 0
  • vyzf
アップルは独自の有料医療クリニックの開設を検討していた
  • ニュース
診療所
「ハードリセットを試しましたか?」
写真:NCI/Unsplash CC

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、アップルは自社雇用の医師を擁する独自のサブスクリプション型プライマリケア診療所の開設を検討していたという。この計画は、アップルの健康とウェルネス分野への進出の一環であり、2016年に構想されたとされている。しかし、現在も検討されているかどうかは不明だ。

報告書では次のように指摘している。

「アップルのチームは、2015年に初めて発売されたスマートウォッチのユーザーから収集した大量の健康とウェルネスのデータを、ヘルスケアの向上にどのように活用できるかを数ヶ月かけて考え出そうとしたと関係者は語った。

アップルのヘルスケアチームを統括する最高執行責任者(COO)ジェフ・ウィリアムズ氏は、従業員に大きな視点を持つよう促した。ウィリアムズ氏の考えを知る関係者によると、ウィリアムズ氏は、患者が年間363日医師の診察を受けることはなく、何か問題が起きたときだけ診察を受けるという、いわゆる米国における「363」型医療や「break fix(事後対応型)」医療モデルをアップルは打破すべきだと述べた。

計画に詳しい関係者によると、チームはそのビジョンを実現するための最良の方法の一つとして、独自の医療サービスを提供することを決定した。Appleデバイスが生成するデータと、Appleの医師が提供するバーチャルケアおよび対面ケアを連携させるという。関係者や文書によると、Appleはプライマリケアに加え、サブスクリプション型のパーソナライズされた健康プログラムの一環として、継続的な健康モニタリングも提供する予定だという。

Appleの医療フランチャイズ

しかし、報道によると、Appleは従業員を対象にこのサービスをテストするまでには至ったという。Appleはクパチーノ本社近くの従業員向け健康診療所を接収し、テストベッドとして活用したとされている。このプロジェクトの運営には、スタンフォード大学のスンブル・デサイ博士が採用された。このプロジェクトは「Caspar」というコードネームで呼ばれていた。

WSJによると、プロジェクトは現在も継続されているものの、Appleは「Casperを初期段階から先に進めるのに苦労している」とのことだ。この部門では複数の従業員が退職したとみられる。また、部門の文化が「批判的なフィードバックを阻害する」と報じられており、これが進捗を阻害した可能性がある。WSJさらに次のように述べている。

文書やデータに詳しい関係者によると、「一部の従業員は、クリニックのパフォーマンスに関する内部データ、つまり最近新しいデジタルヘルスアプリの展開をサポートするために使用されたデータが不正確であったり、無計画にまとめられていたりするのではないかと懸念を表明した。」

これが成功するかどうかはまだ分からない。レポートによると、Appleは成功した場合、フランチャイズ化というアイデアも検討していたという。Apple Payなど、ティム・クックCEOの下でAppleが行った、より突飛な取り組みの中には、大成功を収めたものもある。しかし、この試みが成功せず、不運なAppleテーマレストランのように、クパチーノのちょっとしたトリビアとして終わる可能性もある。

出典:ウォール・ストリート・ジャーナル