アプリの追跡透明性が中国のテック大手アリババを不安にさせる

アプリの追跡透明性が中国のテック大手アリババを不安にさせる

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アプリの追跡透明性が中国のテック大手アリババを不安にさせる
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アリババ
アリババはeコマース業界の巨人です。
写真:Markus Winkler/Unsplash CC

iOS 14.5の新機能「App Tracking Transparency(アプリ追跡の透明性)」を懸念しているのは、米国の巨大テック企業だけではありません。時価総額6,468億4,000万ドルの中国eコマース大手アリババグループも、Facebookと同様に非常に懸念しているようです。

The Informationの報道によると、アリババは6人のマーケティング幹部を杭州本社に招き、ウェブサイトやサードパーティのアプリ間でのユーザー追跡を阻止する新機能への対応を話し合ったという。

報道によると、まだ合意には至っていない。しかし、今週iOS 14.5で導入されたAppleの新たなプライバシー対策は、中国企業にとって依然として大きな懸念事項となっている。アリババの収益の約40%は現在、広告収入によるものだ。また、中国には3億人以上のiPhoneユーザーがいることから、App Tracking Transparency(ATT)はアリババの将来の成功に悪影響を及ぼす可能性がある。

Facebookは既にApp Tracking Transparency(アプリ追跡の透明性)に強く反対している。アリババは中国において同様に巨大な文化的勢力であり、淘宝網(タオバオ)、天猫(Tmall)、Alibaba.comという3大サイトを擁し、世界のどのeコマース企業よりも多くの取引を扱っている。

アリババ創業者のジャック・マーは、今もなお中国で最も著名な起業家の一人です。『シリコン・ドラゴン:中国はいかにしてテック競争に勝利するのか』の著者、レベッカ・ファニン氏は、マーを「中国のスティーブ・ジョブズ」と称しました。「ジョブズのようなスター性、戦略的ビジョン、そしてプロモーションの才能を持つ中国人起業家は他にいません」とファニン氏は言います。

アプリの追跡透明性機能の回避

中国における「App Tracking Transparency(アプリ追跡透明性)」への対応について、うわさが聞かれるのは今回が初めてではない。同国の政府系広告協会(China Advertising Association)は、物議を醸しているこの新機能の回避策を模索していると報じられている。同協会のアプローチには、ユーザー追跡においてiPhoneのIDFAの代替として機能するとされるCAIDと呼ばれるものが含まれると報じられている。一方、Appleは、この新しい規則はすべての人に平等に適用されると明言している。

出典: The Information (有料)