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現金が山ほどあるのに、労働条件の危機でひどいPR被害に遭ったらどうしますか?従業員に数ドルずつ手当を上げて、それで皆が満足してくれることを願う、当たり前ですよね?Appleの製造パートナーであるFoxconn Technology Groupは本日、今月、中国従業員の賃金を16~25%引き上げたと発表しました。Foxconn従業員の賃金引き上げは今回で2回目ですが、最初の引き上げでもAppleの労働条件に対する批判は解消されていません。
フォックスコンの製造工場(iPadやiPhoneの原型とも言える製品が生まれる場所)で働く平均的な若手労働者の賃金は、今回の引き上げで月額約1800元に上る。3年前の平均月給が900元前後だったことを考えると、フォックスコンとアップルは労働条件の改善に一定の努力を払ってきたと言えるだろう。フォックスコンの従業員は、かつては極めて低賃金の奴隷労働者だったが、今ではほぼまともな賃金を得ている年季奉公人のような状態にある。
フォックスコンは今朝、次のような声明を発表した。
中国のトップ製造企業として、フォックスコンの中国全工場の若手従業員の基本給は、既に各地方政府が定める最低賃金をはるかに上回っています。今後は、より多くの研修機会と学習時間を提供し、技術、効率、そして賃金の向上を継続的に図ることで、中国製造業の模範となるよう努めてまいります。
確かに、フォックスコンの労働者にとって昇給は非常にありがたいボーナスです。彼らの多くは、工場の外でより良い生活を始めるためにできるだけ多くのお金を貯めようとしている若者です。しかし、フォックスコンや他の中国の工場の労働環境がこれほどまでに劣悪なのは、労働環境と従業員の過酷な労働条件に大きく関係しています。12時間労働、窮屈な生活環境、厳格な業績評価基準、昇進の機会の少なさなど、労働者の不満を募らせる要因は、単に賃金の低さだけではありません。
肉体的および精神的な虐待は、いかなる金額をもってしても償うことはできません。従業員の給与を増やすことは正しい方向への一歩ですが、これらの人々の生活の質を向上させるためには、さらに多くの取り組みが必要です。AppleやHP、Google、Dell、Microsoftといった電子機器企業が、労働条件の改善に向けて引き続き一層の努力をしてくれることを期待します。
[ロイター通信経由]