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写真:アップル
台湾の最高裁判所は、サムスンに企業秘密を漏らしたとされる元従業員をめぐる訴訟で、台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニーに有利な判決を下した。
被告であるTSMCの元研究開発担当シニアディレクターの梁夢松氏は、サムスンがチップ製造事業で追いつき、アップルのAシリーズプロセッサの受注を獲得するのを支援したとされている。
訴訟ではサムスンの名前は直接挙げられていないが、台湾積体電路製造(TSMC)が誰を非難していたかについては疑いの余地はほとんどない。
「TSMCのモリス・チャン会長と上級経営陣は、サムスンや従業員、その他の競合他社にメッセージを送る必要があると確信していたため、訴訟を起こした」とTSMCの元主任弁護士は以前指摘していた。
残念ながら、台湾の裁判所はTSMCに判決を下したものの、産業スパイ行為に対して十分な罰則を科すことはできなかったようだ。被告は2015年12月31日までサムスンとの取引を禁止されただけである。
2011年にTSMCを退職した後、リャン氏は「韓国にあるサムスンが出資している大学」の教授に就任し、そこで「サムスンのベテラン社員」を指導した。
興味深いことに、報道では、梁氏による企業秘密の漏洩がTSMCとサムスンの間のチップ製造における競争力にどのような影響を与えた可能性があるかが指摘されています。当初、両社は非常に異なるチップを製造していましたが、「45nmから28nmへと移行するにつれて、サムスンとTSMCの技術の差は縮まっていった」とされています。
どうやら、今年のチップに使用されているプロセスはさらに類似しているようだ。「構造分析のみでは、(製品が)サムスン製かTSMC製かを見分けるのは難しいかもしれない」と報告書は指摘している。
それでも、このような寛大な「処罰」が提供されているのであれば、企業が産業スパイ活動への参加を避ける理由はまったくない。特に、利益の多いアップルとの取引が危険にさらされている場合にはなおさらだ。
出典:Digitimes