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写真:トーマス・ホーク/Flickr
インテルは、アップルとクアルコムの現在の対立から恩恵を受けており、アップルはiPhone向けにインテルへのワイヤレス「ベースバンド」チップの発注を増やしていると報じられている。
Appleは2016年に初めてIntelをベースバンドの2番目のサプライヤーとして追加しました。これは、各コンポーネントを供給するサプライヤーの数を分散させ、Appleのリスクを軽減し、コンポーネントに関してより有利な条件を交渉できるようにする戦略の一環でした。
当時、Appleはこれらのチップの30%をIntelから、残りをQualcommから調達していました。Intelのチップ単価は15ドル、Qualcommは23ドルでしたが、Intelのほうが性能が劣っていたため、価格が低かったのです。そのため、市場関係者はAppleがQualcommに戻ると予想していました。
その代わりに、AppleはQualcommとの対立の結果、これらのチップ注文の50%をIntelに委託していると報じられています。これは2018年までにiPhoneのベースバンド製品の70%にまで増加する可能性があります。
しかし、Appleがチップ開発を社内化するという現在の戦略を考えると、Intelの現在の恵まれた立場は、長期的な戦略的パートナーシップを持続させるには不十分となる可能性がある。この「インソーシング」は、これまでAppleのGPUメーカーであるImagination Technologiesと、電力管理チップメーカーのDialog Semiconductorに影響を与えてきた。
アップルとクアルコムの対立
AppleとQualcommの関係は、AppleがQualcommに対して10億ドルの訴訟を起こし、両者が料金設定で合意に至らなかったため、ロイヤルティの支払いを停止したことで、今年初めに悪化しました。Appleの2017年第2四半期決算発表で、ティム・クックCEOは「QualcommはiPhoneの総売上高の一定割合をAppleに請求しようとしています。彼らは本当に素晴らしい仕事をしていますが…それはiPhoneのほんの一部に過ぎません」と述べました。
クアルコムはその後、Appleが誤解を招くような発言をしており、契約違反にあたるとして、独自の訴訟を起こして反撃した。報道によると、クアルコムはAppleによる米国へのiPhone輸入禁止を求めることで、Appleに圧力をかけようとしているという。
さらに、AppleがQualcommへのロイヤルティ支払いを差し控えるよう圧力をかけたとされ、QualcommとAppleのサプライヤー4社の間でも争いが起きている。
出典:Digitimes