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写真:Ste Smith/Cult of Mac
AppleのSafari向け新広告ブロック機能は、オンライン広告会社に悪影響を及ぼしている。iOS 11で導入された、ユーザーがオンラインで追跡されるのを防ぐインテリジェント・トラッキング・プロテクション(ITP)機能のせいで、一部の広告会社は年間数億ドルもの損失を被っている。
iPhoneの驚異的な成長、iPadへの新たな関心の高まり、そしてMacビジネスの急成長にもかかわらず、Safariの世界ブラウザ市場シェアは15%にも満たない。しかし、わずか4ヶ月前にユーザーに導入された新しい広告ブロック機能は、驚くべき効果をもたらしている。
広告会社はSafariで数百万ドルの損失を被る
業界最大手の広告会社の一つであるCriteoは、iOS 11のITPの影響で、2018年の収益が20%以上減少すると予想している。2017年の収益は7億3000万ドルを超えたが、今後12か月間で数億ドル減少する可能性がある。
インタラクティブ広告協会のテックラボのゼネラルマネージャー、デニス・ブックハイム氏は ガーディアン紙に対し、 ITPは広告業界全体に影響を及ぼすだろうと語った。
昨年6月にAppleがiOS 11の強化されたプライバシー機能を発表した際、広告主はそれがもたらす影響を懸念し始めた。6つの広告業界団体がAppleに対し、「計画の見直し」を求める公開書簡に署名した。
彼らは、ITPは「今日のデジタルコンテンツやサービスの多くを支える貴重なデジタル広告エコシステムを混乱させる」リスクがあると警告した。Appleは、「これは広告をブロックすることではなく」、広告のターゲティングと追跡がますます増加する時代にユーザーのプライバシーを保護することだと主張した。
ブッフハイム氏は、Appleや業界全体と協力し、「より堅牢で、消費者にも優しいクロスデバイス広告のターゲティングと測定機能の実現」に取り組みたいと考えている。しかし、彼はAppleがITPを今後も維持し、進化させていくと予想している。
広告主は消費者にリーチするための新たな手段を模索せざるを得なくなるかもしれない。ブッフハイム氏は「ITPを『出し抜く』ための努力は今後も続くだろう」と述べている。そうなるまでは、強化されたプライバシー保護を今のうちから享受すべきだろう。