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写真:Apple/Rajesh Pandey/CultOfMac
Appleは、M4 Mac miniとApple Watchシリーズを「カーボンニュートラル」と宣伝しなくなりました。同社は2023年に、初のカーボンニュートラル製品であるApple Watch Series 9とApple Watch Ultra 2を誇らしげに発表しました。
しかし、わずか2年後、Appleはそのような主張をすべての製品ページから削除しました。これは、Appleが突然デバイスの製造方法を変えたからではありません。
カーボンクレジットを購入することでカーボンニュートラルを実現
2023年9月、AppleはApple Watchシリーズをカーボンニュートラルにした経緯を詳しく説明しました。同社がこのような主張を掲げた最初の製品となりました。
同社は、「デザインとクリーンエネルギーにおける革新により、カーボンニュートラルなApple Watch1台あたりの製品排出量が75%以上も劇的に削減されました」と述べています。これは、2030年までにすべてのApple製品をカーボンニュートラルにするという同社の目標に向けた大きな一歩です。
カーボンニュートラル製品とは、製造、使用、廃棄のいずれの段階でも大気中の二酸化炭素排出量が実質上増加しない製品のことです。Appleは、カーボンクレジットを購入することで、このようなデバイスの製造時に排出される二酸化炭素を相殺しました。
2023年10月、欧州消費者機構(ECO)はこうした主張を「科学的に不正確であり、消費者を誤解させる」と非難しました。さらに今年初めには、ドイツの裁判所(ロイター通信経由)がAppleに対し、自社製品を「カーボンニュートラル」と宣伝することを禁止しました。
今後のEU指令により、Appleはカーボンニュートラルの主張を撤回せざるを得なくなる
Watch Generationが指摘しているように、AppleがApple WatchとM4 Mac miniの製品ページからカーボンニュートラルの謳い文句を削除せざるを得なくなったのは、近々施行される欧州指令2024/825によるものです。この指令は、企業が「温室効果ガス排出量の相殺に基づく」と謳う製品をカーボンニュートラルとして販売することを禁止しています。この指令は2026年9月に発効します。
この指令はEUのみに適用されますが、Appleは世界中でマーケティング戦略を変更しました。現在、M4 Mac miniは重量の50%が再生素材で作られており、100%再生可能エネルギーで製造されていると宣伝しています。また、この変更はApple製品の環境汚染が悪化することを意味するものではありません。同社は、2030年までに全製品をカーボンニュートラルにするという目標を引き続き達成していくとしています。