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写真:Square
英国政府は、Appleに対し、iPhoneに搭載されているNFCチップへの開発者アクセスを開放するよう求めている。その理由は、英国がEU離脱後にEU市民の居住許可申請を支援するための新しいアプリをリリースする予定だからだ。
しかし、政府はアプリの一部として、ユーザーがパスポート内のチップをスマートフォンのNFCリーダーでスキャンできるようにしたいと考えています。残念ながら、Androidでは可能ですが、Appleは開発者によるこの方法でのアクセスを許可していません。そして、英国政府はこの状況を変えたいと考えています。
このアプリは、350万人のEU市民が英国で「定住ステータス」を申請できるようにするという政府の取り組みの「重要な部分」だと報じられている。アプリは申請者にいくつかの質問をし、記録と照合するために自撮り写真を撮影させ、パスポートのICチップをスキャンさせる。しかし、市場の50%がiPhoneを使用しているため、この最後の部分は不可能だ。
BBCによると:
英国政府閣僚からの働きかけ、特にサジド・ジャヴィド内務大臣によるシリコンバレー本社視察にもかかわらず、この米国IT大手はこれまでこれを拒否している。これは技術的な問題ではない。Apple製品には2014年から近距離無線通信(NFC)チップが搭載されている。しかし、セキュリティと商業上の理由から、同社はこのチップの使用を主にApple Payでの決済に限定している。テクノロジー系ブログでは、Appleが最新OS 12.1のリリース時にチップリーダーをサードパーティ製アプリでロック解除するとの憶測が飛び交っていたが、現在その作業が進められている。しかし、AppleはBBCに対し、これらの噂は事実ではなく、ロック解除もされていないことを確認した。
内務省は「引き続き最高レベルでAppleと協議を行っている」とされている。オランダ政府も、国民がデジタルサービスにアクセスできるよう、Appleがチップリーダーのロックを解除することを望んでいる。
Appleが社内ポリシーと国家政策が衝突し、政府と対立したのは今回が初めてではない。最も有名な例は、プライバシーをめぐるAppleとFBIの対立だ。最近では、インドでAppleは、自社のプライバシーポリシーに違反していると判断した政府系アプリをめぐって対立した。
AppleがNFCチップを開発者に開放することになるのだろうか?今後の展開を見守るしかない。しかし、Appleにとってこれは確かに興味深い状況だ。同社の技術がますます普及するにつれ、Appleのソフトウェア開発方法を要求する権利があると考える政府機関や国家はますます増えていくだろう。
出典:BBC