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写真:タイラー・ニーンハウス/Flickr CC
クパチーノから機密ファイルを盗んだ罪で起訴された元アップルカーのエンジニアは、どうやら米検察の関心を引く別のものを持っていたようだ。それはパトリオットミサイル計画の機密ファイルだ。
これにより、以前は企業スパイ事件だったものが、国家安全保障に関わる事件へと変貌を遂げた。陳吉中容疑者は1月にFBIに逮捕された。当時、彼はアップルの極秘自動運転車プロジェクトの詳細を携えて中国へ逃亡しようとしていたとみられている。
捜査官はチェン氏の自宅を捜索中にパトリオットミサイルのファイルを発見した。これはチェン氏の元雇用主の一つである防衛関連企業レイセオンの所有物だった。政府は、この発見によりチェン氏に対する更なる綿密な調査が必要だと述べている。
レイセオンの文書は2011年に遡る。極秘文書であったため、「国防総省の安全な場所以外での保管は許可されていない」とされていた。スパイとされるチェン氏は、この文書を8年間も違法に保有していたとみられる。当局によると、チェン氏は以前の雇用主に関する情報も保有していたという。
陳氏は現在、アップルの自動運転車プロジェクトに関連する写真、マニュアル、回路図を収集した容疑で裁判を待っている。報道によると、陳氏はこれらの情報をすべて中国の電気自動車メーカーに持ち込む計画を立てていたという。陳氏は無罪を主張し、現在は50万ドルの保釈金で釈放されている。
アップルカーのスパイ疑惑
アップルの自動運転車技術を盗もうとした疑いで中国人社員が逮捕されたのはこれで2度目だ。アップル社員の張暁朗(シャオラン・チャン)氏は、クパチーノの自動運転車用回路基板の設計図をダウンロードした疑いがある。
張氏は、飛行機の予約直前にアップルに対し、中国の自動運転スタートアップ企業「小鵬汽車」に入社する予定だと伝えていたとみられる。警察は、張氏が盗んだファイルを中国へ持ち出そうとした際に、サンノゼ国際空港で張氏を逮捕した。
Appleは、Jizhong Chen氏が機密性の高い作業スペースで写真を撮っているのを別の従業員が目撃したことを受け、調査を開始したと報じられています。NBC Bay Areaの1月の報道によると、Appleのセキュリティチームは、彼のコンピューターからマニュアル、回路図、図面などを含む数千点の機密ファイルを発見しました。また、Appleのオフィス内で撮影された数百枚の写真も発見しました。
この事件の今後の展開については、引き続きお知らせします。
出典:ブルームバーグ