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アマゾンは出版社の心を掴むためにアップルと激しい競争を繰り広げているものの、バーンズ・アンド・ノーブルやボーダーズといった他の電子書籍ライバルに関しては、より差し迫った懸念があるかもしれない。それは価格設定だ。アップルがハイエンド市場を独占している一方で、NOOKやKOBEといった電子書籍リーダーのメーカーはローエンド市場への進出を急いでおり、インターネット小売業者であるアマゾンは孤立している。しかし、あるアナリストは、アマゾンがKindleの259ドルという価格を近いうちに引き下げる可能性があると示唆している。
シティグループのアナリスト、マーク・マハニー氏によると、Kindleの価格は「夏の終わりまでに」200ドルを下回る可能性がある。5月には、実店舗の書店ボーダーズが149ドルの電子書籍リーダー「Kobe」を発売し、Barnes & Nobleの「Nook」との競合に加わった。3月のNookの発売により、AmazonはKindleをインターネットショッピング以外の消費者にも認知させるため、小売パートナーであるTargetとの提携を迫られた。Amazonに追い打ちをかけた可能性があるのは、Nookが米国の電子書籍リーダー市場の半分以上を占めているというDigiTimesの報道だ。
バーンズ・アンド・ノーブルが月曜日、電子書籍リーダーのWi-Fi版のみの価格を149ドルに、3G版を259ドルから199ドルに値下げすると発表したことで、NookはKindleにさらに圧力をかけた。
アマゾンがKindleの価格をまもなく引き下げるかもしれないもう一つの理由は、5月にジェフ・ベゾスCEOがアナリストに対し、AppleのiPadに対抗できるカラー電子書籍リーダーの登場は「まだ遠い」と述べたことだ。また、200ドル以下のKindleが登場する可能性を示唆するものとして、数ヶ月前にチップメーカーのフリースケールが、電子書籍リーダーの価格を引き下げる可能性のある新しいチップをアマゾンに提供するまで約6ヶ月かかると発表していた。
マハニー氏は、アップルに対抗できるアマゾンにいくらかの希望を与えた。シアトルに拠点を置くKindle電子書籍販売業者は、ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラーの88%を提供しているのに対し、アップルのiBooksストアは63%しか提供していない。
[All Things DigitalとBarron's経由]