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写真:Gage Skidmore/Flickr CC
ドナルド・トランプ大統領と共和党議員らは、法人税率引き下げ計画の一環として、アップルを含むシリコンバレーの巨大テクノロジー企業に大きな影響を与える可能性のある新たな税を提案した。
この提案は、企業が利益を海外の租税回避地に移転するのを阻止することを目的としており、「米国の多国籍企業の海外利益に世界規模で軽減税率を課すことによって米国の税基盤を保護するルール」を求めている。
税率がいくらになるかについてはこれ以上の詳細は明らかにされていないが、マイクロソフトなどの企業を代表するロビイストたちは既に反発を強めている。火曜日の上院財政委員会の公聴会で詳細が提示されれば、反対はさらに強まるだろう。
悪いニュースばかりではない
しかし、大手多国籍企業にとって状況は必ずしも悪いわけではない。この規則により、企業は海外からの収益を、おそらく10~15%程度の低い税金を支払うことで本国に送金できるようになるからだ。シアトル・タイムズ紙は次のように解説している。
「大まかな考え方としては、議会が企業の海外子会社の利益に対する最低税率となる低い税率(例えば15%)を設定するというものです。外国政府にこの最低税率を超える税金を納めている多国籍企業は、米国で税金を払う義務はありません。しかし、企業の海外での税金が最低税率を下回った場合(これはタックスヘイブンを多用している兆候です)、その差額を米国に支払うことになります。」
2015年12月の「60 Minutes」のインタビューで 、チャーリー・ローズはティム・クックCEOに対し、Appleが海外に隠蔽している巨額の現金について問いただした。当時、クックCEOは「それを本国に持ち帰るには40%のコストがかかる。それは合理的な方法ではないと思う」と発言した。
米国政府による海外利益への課税はAppleにとってマイナスのように聞こえるが、一部の経済学者はむしろプラスになると主張している。シティのアナリストによると、このような措置はAppleの利益を16%も押し上げる可能性があるという。
しかし、欧州連合はすでに、たとえアップルの利益を本国に送還しても同社の税務問題に関するEUの調査は止まらないと述べている。